故障診断上の注意
- 初期の故障状況で
一番多く見受けられるのは
次の様なものです。 - 電源の入れ忘れ。
- 逆回転。
- インペラーロック。
- エアーロック。
- レベルスイッチの取付位置の間違い。
-
その他色々とありますが、以上の様なところから点検すればよいと思います。
特に電源系統の故障、機械的な故障の場合は、専門家に依頼して下さい。
自動運転装置内蔵型
SFDⅡ・SFDNⅡ・KVDⅡ・KVDNⅡ
KWDⅡ・KWDNⅡ・ADⅡ・ADNⅡ
KWDⅡ・KWDNⅡ・ADⅡ・ADNⅡ
- 状況
- 原因
- 対策
ポンプが起動しない。
- 電源配線の故障。
- テスターで測定する。
- 電源電圧が低い。
- 電圧計で測定する。
電気工事の専門家に依頼して調節する。 - ノーヒューズブレーカー等の容量不足。
- 容量を確認する。
- ヒューズが切れている。
- 原因を取り除き入れ替える。
ヒューズの容量は定格電流の約二倍程度。
ポンプまで電気はきているが回転しない。
- インペラーロックしている。
- ストレーナー、インペラーカバーをはずし、土砂、異物等を除去する。
- オートカットが動作している。
- 過電流(低電流)、過熱(インペラーロック)、軸受ベアリングの摩耗に依るローター引き受け等を調べ除去する。
- 液面制御リレーの故障。
- 原因を確認。良品と取り替える。
- フロートに異物がのっている。
- 異物を除去する。
- フロートが壁などに接触している。
- 壁から離す。
- モーターの巻線が焼損または断線している。
- 専門家に依頼する。
揚水するがポンプが停止しない。
- アタッチメントの電極端子の停止端子が低すぎる。
- 端子をポンプ底部より100mm程度まで上に持っていく。
- 停止端子に異物が付着している。
- 異物を除去する。
- 起動端子が本体に接触または異物により短絡されている。
- ポンプ本体より離す。または異物を除去する。
揚水するが、ポンプが停止すると水が逆流する。
- 配管の吐出口が水中につかっている。
- 揚水管の途中に逆止弁(チャッキバルブ、または、サイフォン防止装置)を取付ける。
揚水するが、水量が不足。
- モーターが逆回転している。
- 三相の内、二相を入れ替えて回転を反対にする。
- 揚水管の途中に異物がつまっている。
- 調べて除去する。
- 逆止弁が中開きになっている。
- ハンマーで逆止弁を軽くたたいてみる。
- 羽根車ケーシング等の摩耗。
- 取り替える。
運転音が高く、振動する。
- 軸受ベアリングの摩耗。
- ベアリングを取り替える。
- インペラーの摩耗。
- インペラーを取り替える。
- メカニカルシールが摩耗して浸水し、ベアリングに錆がでている。
- ベアリングを取り替える。メカニカルシールを取り替える。
0.75kW以下
SFⅡ・KVⅡ・KWⅡ・JⅡ・OⅡ
- 状況
- 原因
- 対策
ポンプが起動しない。
- 配電線の断線など、電気がきていない。
- 専門家に依頼。
- 電源スイッチの故障。
- 接続不良を調べる。
- 電源ヒューズが切れている。
- ヒューズを取り替える。
ヒューズの容量は定格電流の約二倍程度。 - ケーブルの断線。
- 修理または取り替え。
ポンプまで電気はきているが回転しない。
- インペラーロックしている。
- ストレーナー、インペラーカバーをはずし、土砂、異物等を除去する。
- 電圧低下。
- 電源電圧の調整。
ケーブルの太さ、長さの検討。 - モーター保護装置の作動。
- 原因を除去する。
モータープロテクター内蔵機種については、原因を除去すれば自動復帰します。
保護装置別置の場合、手動復帰して下さい。(電源は切っておくこと)
揚水するが水量が不足。
- インペラーの摩耗。
- インペラーを取り替える。
- 底板の摩耗。
- 底板を取り替える。
- ストレーナーが異物でふさがれている。
- 異物を除去する。
- 水路のつまり・漏水。排水管が細い。
- 異物を除去する。適切な配管にする。
- 電圧低下。
- 電圧調整、電線路の強化。
配電線容量とそれにかかる負荷を調べ、過負荷にならない様にする。 - ポンプの据付状態が悪くなっている。
- ポンプを据え替える。
- モーターが逆回転している。(三相の場合)
- 三相の内、二相を入れ替えて、回転を正回転にする。
- 揚程が高すぎる。
- 性能曲線で調べる。
運転音が高く、振動する。
- インペラーの摩耗。
- インペラーを取り替える。
- 軸受ベアリングの摩耗。
- ベアリングを取り替える。
- モーターが逆回転している。(三相の場合)
- 三相の内、二相を入れ替えて、回転を正回転にする。
1.5 kW以上
SFⅡ・OSⅡ・KVⅡ・KWⅡ・KMⅡ
- 状況
- 原因
- 対策
ポンプが起動しない。
- 電源配線の故障。
- テスターで各相の配線を調べる。
- 電源電圧が甚だしく低いか三相不平衡が甚だしい。
- 電圧計で各相間の電圧を計り、電源を調整する。
- 電源容量が小さく、操作盤までの配電線の送電容量が小さい。
- 直入起動、Y-Δ起動の時、投入によって起動電流が流れ電圧が降下するが、その時でも直入起動で定格の55%、Y-Δ起動で90%以上が必要である。
- 操作盤のマグネットリレーの過負荷継電器(サーマル)が動作している。
- 継電器を調べ復帰ボタンを押した後、ふたたびスイッチを入れる。
起動後ふたたび継電器が動作する場合には、後述の過負荷の原因※を調べる必要がある。 - マグネットリレー(電磁開閉器)の接点の接触不良。
- 電磁開閉器、刃形開閉器、その他の部分を調べる。
各接点を清掃し、電流による損傷の甚だしい時は新品と交換する。この時、電源を切り離しておくこと。 - 操作盤の端子の接続の誤り。
- 製品に添付している接続図を取扱説明書によってチェックする。
- レベルスイッチが不良になっている。
フロート式の場合:
フロートが壁などに接触している。
電極端子の場合 :
端子に異物が付着している。
ポンプ本体と短絡している。 - 操作盤の接続端子より、レベルスイッチの線を外し、テスターを両線端にあてリードスイッチが正常かを調べる。レベルスイッチを手で上下に動かし、テスターの指針がON,OFFするかを調べる。不良の場合は交換する。
- 運転水位まで水がきていない。
- 運転水位まで水をためてチェックする。
- ヒューズの断線。ノーヒューズブレーカーがOFFになっている。
- ヒューズの取り替え。ただし、ヒューズの切断の原因を調査すること。
なお、ヒューズの容量は定格電流の約二倍程度とする。 - キャブタイヤケーブル(パワーケーブル)と操作盤間の接続不良。
- 調査して端子台の接続を確実にする。
- キャブタイヤケーブルの断線。
- テスターで調べる。不良の場合は交換する。
- モーター巻線相互間の短絡。
- 操作盤、配線等すべて完全で、なお起動せずヒューズが溶断、サーマルリレーが働く時は、モーター巻線の短絡が考えられるので、ポンプを引き上げて調査、修理する。
- ポンプ回転部の隙間に異物(ビニール、布切等)がつまっている。
- 三相の内の二相を入れ替えて逆回転してみる。2~3回繰り返しても回転しない時は、ポンプを引き上げて異物を取り除く。
モーターは回転しているが、水が出ない。
- モーターが逆回転している。
- 結線の三相の内、二相を入れ替えて回転を正回転にする。
- 電流計の指針が不安定で、電流の少ない場合考えられるエアーロック。
(ポンプケーシング内に空気がたまったままになっている) - 吐出側の配管のフランジをゆるめて、空気を抜いてみる。
エアー抜きのついていないもの、または、エアー抜きが詰まっている場合にこの様な現象が多い。 - 逆止弁が作動しなくなっている。
- 分解・点検する。
揚水しない時は、取りはずして修理する。 - 配管系統の洩水。
- 配管を調査する。
揚水量の不足。
- ポンプの特性に対し、実際の揚程が高すぎる。
- 管路中の弁が半開きになって抵抗を与えているところがないか、または、計画的に十分な揚程のポンプであるかどうか再チェックする。
- 電圧及び周波数低下のため、ポンプの回転数が低下する。
- 電源を調整する。周波数については、電力会社と連絡をとる必要がある。
(最近ではほとんど問題はない) - 揚水管にスケールが付着している。
- 揚水管のスケールを清掃する。
- ポンプの羽根車が摩耗している。
- 修理取替をする。
- 羽根車に木片その他の異物が付着している。
- ポンプを引き上げて、分解、清掃または修理をする。
ポンプの揚程が規定揚程に達しない。
- ストレーナー、羽根車が異物にふさがれている。
- ポンプを引き上げて清掃する。
- 回転方向が逆の時。
- 三相中の二相を入れ替えて結線する。
- 使用揚程が高い時。
- ポンプの形式を再検討する。
過負荷継電器が作動する場合。
- 過負荷継電器の電流調整が低すぎる。
- 説明書によって電流調整のツマミを動かして調整する。
- 電圧の高低が甚だしい。
- 定格電流の±10%以内になる様に、電源を調節してもらう。
- モーターまたはケーブルの絶縁不良。
- メガー(絶縁抵抗計)で各部を測定する。
絶縁抵抗は10MΩは必要である。
10MΩ以下の時は、ポンプを引き上げて修理する。
メガー測定の時は、端子盤よりケーブルをはずして測定すること。 - ポンプに異物がつまっている。
- ポンプを引き上げて分解清掃する。
- サイクル選定が間違っている。
- 60Hzのポンプを50Hz地区で使用した場合、規定の性能を発揮できない。
50Hzのポンプを60Hz地区で使用した場合、オーバーロードになる。
腐食。
- 電蝕または科学的による腐食。
- 部品交換または材質の変更を検討する。
(水質をよく検査する)
パイプの接続不良。
- 据付時の不注意。
- 接続部を点検して直す。
電気回路の操作不能。
- 端子接続の誤り。
- 製品に添付されている接続図によって接続を調べる。
操作盤の修理は専門家に依頼する。 - 原因
- 対策
電磁接触器(マグネットリレー)の接点の荒れまたは溶着。
- 電流容量不足。
- モーターの定格電流に対して十分な容量があるかを調べる。
不足の時は、新品と交換する。溶着部を修正する。 - 使用頻度が過大の時。
- 制御巾の調整。
ケーブルからの浸水または外傷。
- ポンプ据付時、槽内結線をしている。
- 槽内で結線せず、槽外で結線する。
- ケーブルの外傷。
- 引っ張ったり、傷つけたりしない。
モーターステーターコイルの焼損。
- 欠相運転の場合。
- 操作盤の端子盤の接続部等、各部点検する。
- メカニカルシールの摩耗及びパッキン、Oリング等締付不良により漏水した場合。
- ポンプを引き上げて分解点検の上、巻き替えの修理を行う。
- 過負荷による場合。
- インペラーロック等により過電流が流れていたか、または、電圧降下によるものか等、原因を究明してそれを除く。
- 機械的外傷による場合。
- 軸受、ベアリング等の摩耗により、ローターとステーターコイルとが接触し焼損した場合は、不良部を交換し修理を行う。
- 注意点
- 11kW以上のモーターには、モータプロテクターが巻線に組込まれております。
11kW以上は、プロテクター回路が別回路でとる様になっておりますので、必ずエレポンの制御盤を使用する様にして下さい。
ばっ気装置
BCⅡ・BCⅡG
- 状況
- 原因
- 対策
ジェット流が出ない。
- ポンプの「故障と診断と対策」※を参照。
ジェット流が出るが弱い。
- ポンプの「故障と診断と対策」※における、「ポンプの揚程が規定揚程に達しない」※の項を参照。
槽内の攪拌流が出来ない。
- ディフューザーの方向の組み合わせが悪い、または、下向き加減になっている。
- フローパターンを考えて設置方向を組みなおす。
気泡量が少ない。
- 空気吸入バルブが閉まっている。
- 開ける。
- 空気吸入管の破損。
- 修理、接続しなおす。
- 空気吸入管が長すぎる。
- 適切な長さにし配管しなおす。
- 着脱装置のセッティングが悪い。
- 接続しなおす。
- モーターが逆回転している。
- 三相の内、二相を入れ替える。
- ストレーナー及び空気吐出ノズルに異物がからみついている。
- 除去する。
- 仕様値より水深の大きいところで運転している。
- 定格水深になる様にする。