故障診断上の注意
  • 初期の故障状況で
    一番多く見受けられるのは
    次の様なものです。
    1. 電源の入れ忘れ。
    2. 逆回転。
    3. インペラーロック。
    4. エアーロック。
    5. レベルスイッチの取付位置の間違い。
  • その他色々とありますが、以上の様なところから点検すればよいと思います。
    特に電源系統の故障、機械的な故障の場合は、専門家に依頼して下さい。
自動運転装置内蔵型
SFDⅡ・SFDNⅡ・KVDⅡ・KVDNⅡ
KWDⅡ・KWDNⅡ・ADⅡ・ADNⅡ
  • 状況
  • 原因
  • 対策

ポンプが起動しない。

  • 電源配線の故障。
  • テスターで測定する。
  • 電源電圧が低い。
  • 電圧計で測定する。
    電気工事の専門家に依頼して調節する。
  • ノーヒューズブレーカー等の容量不足。
  • 容量を確認する。
  • ヒューズが切れている。
  • 原因を取り除き入れ替える。
    ヒューズの容量は定格電流の約二倍程度。

ポンプまで電気はきているが回転しない。

  • インペラーロックしている。
  • ストレーナー、インペラーカバーをはずし、土砂、異物等を除去する。
  • オートカットが動作している。
  • 過電流(低電流)、過熱(インペラーロック)、軸受ベアリングの摩耗に依るローター引き受け等を調べ除去する。
  • 液面制御リレーの故障。
  • 原因を確認。良品と取り替える。
  • フロートに異物がのっている。
  • 異物を除去する。
  • フロートが壁などに接触している。
  • 壁から離す。
  • モーターの巻線が焼損または断線している。
  • 専門家に依頼する。

揚水するがポンプが停止しない。

  • アタッチメントの電極端子の停止端子が低すぎる。
  • 端子をポンプ底部より100mm程度まで上に持っていく。
  • 停止端子に異物が付着している。
  • 異物を除去する。
  • 起動端子が本体に接触または異物により短絡されている。
  • ポンプ本体より離す。または異物を除去する。

揚水するが、ポンプが停止すると水が逆流する。

  • 配管の吐出口が水中につかっている。
  • 揚水管の途中に逆止弁(チャッキバルブ、または、サイフォン防止装置)を取付ける。

揚水するが、水量が不足。

  • モーターが逆回転している。
  • 三相の内、二相を入れ替えて回転を反対にする。
  • 揚水管の途中に異物がつまっている。
  • 調べて除去する。
  • 逆止弁が中開きになっている。
  • ハンマーで逆止弁を軽くたたいてみる。
  • 羽根車ケーシング等の摩耗。
  • 取り替える。

運転音が高く、振動する。

  • 軸受ベアリングの摩耗。
  • ベアリングを取り替える。
  • インペラーの摩耗。
  • インペラーを取り替える。
  • メカニカルシールが摩耗して浸水し、ベアリングに錆がでている。
  • ベアリングを取り替える。メカニカルシールを取り替える。
0.75kW以下
SFⅡ・KVⅡ・KWⅡ・JⅡ・OⅡ
  • 状況
  • 原因
  • 対策

ポンプが起動しない。

  • 配電線の断線など、電気がきていない。
  • 専門家に依頼。
  • 電源スイッチの故障。
  • 接続不良を調べる。
  • 電源ヒューズが切れている。
  • ヒューズを取り替える。
    ヒューズの容量は定格電流の約二倍程度。
  • ケーブルの断線。
  • 修理または取り替え。

ポンプまで電気はきているが回転しない。

  • インペラーロックしている。
  • ストレーナー、インペラーカバーをはずし、土砂、異物等を除去する。
  • 電圧低下。
  • 電源電圧の調整。
    ケーブルの太さ、長さの検討。
  • モーター保護装置の作動。
  • 原因を除去する。
    モータープロテクター内蔵機種については、原因を除去すれば自動復帰します。
    保護装置別置の場合、手動復帰して下さい。(電源は切っておくこと)

揚水するが水量が不足。

  • インペラーの摩耗。
  • インペラーを取り替える。
  • 底板の摩耗。
  • 底板を取り替える。
  • ストレーナーが異物でふさがれている。
  • 異物を除去する。
  • 水路のつまり・漏水。排水管が細い。
  • 異物を除去する。適切な配管にする。
  • 電圧低下。
  • 電圧調整、電線路の強化。
    配電線容量とそれにかかる負荷を調べ、過負荷にならない様にする。
  • ポンプの据付状態が悪くなっている。
  • ポンプを据え替える。
  • モーターが逆回転している。(三相の場合)
  • 三相の内、二相を入れ替えて、回転を正回転にする。
  • 揚程が高すぎる。
  • 性能曲線で調べる。

運転音が高く、振動する。

  • インペラーの摩耗。
  • インペラーを取り替える。
  • 軸受ベアリングの摩耗。
  • ベアリングを取り替える。
  • モーターが逆回転している。(三相の場合)
  • 三相の内、二相を入れ替えて、回転を正回転にする。
1.5 kW以上
SFⅡ・OSⅡ・KVⅡ・KWⅡ・KMⅡ
  • 状況
  • 原因
  • 対策

ポンプが起動しない。

  • 電源配線の故障。
  • テスターで各相の配線を調べる。
  • 電源電圧が甚だしく低いか三相不平衡が甚だしい。
  • 電圧計で各相間の電圧を計り、電源を調整する。
  • 電源容量が小さく、操作盤までの配電線の送電容量が小さい。
  • 直入起動、Y-Δ起動の時、投入によって起動電流が流れ電圧が降下するが、その時でも直入起動で定格の55%、Y-Δ起動で90%以上が必要である。
  • 操作盤のマグネットリレーの過負荷継電器(サーマル)が動作している。
  • 継電器を調べ復帰ボタンを押した後、ふたたびスイッチを入れる。
    起動後ふたたび継電器が動作する場合には、後述の過負荷の原因を調べる必要がある。
  • マグネットリレー(電磁開閉器)の接点の接触不良。
  • 電磁開閉器、刃形開閉器、その他の部分を調べる。
    各接点を清掃し、電流による損傷の甚だしい時は新品と交換する。この時、電源を切り離しておくこと。
  • 操作盤の端子の接続の誤り。
  • 製品に添付している接続図を取扱説明書によってチェックする。
  • レベルスイッチが不良になっている。
    フロート式の場合:
     フロートが壁などに接触している。
    電極端子の場合 :
     端子に異物が付着している。
     ポンプ本体と短絡している。
  • 操作盤の接続端子より、レベルスイッチの線を外し、テスターを両線端にあてリードスイッチが正常かを調べる。レベルスイッチを手で上下に動かし、テスターの指針がON,OFFするかを調べる。不良の場合は交換する。
  • 運転水位まで水がきていない。
  • 運転水位まで水をためてチェックする。
  • ヒューズの断線。ノーヒューズブレーカーがOFFになっている。
  • ヒューズの取り替え。ただし、ヒューズの切断の原因を調査すること。
    なお、ヒューズの容量は定格電流の約二倍程度とする。
  • キャブタイヤケーブル(パワーケーブル)と操作盤間の接続不良。
  • 調査して端子台の接続を確実にする。
  • キャブタイヤケーブルの断線。
  • テスターで調べる。不良の場合は交換する。
  • モーター巻線相互間の短絡。
  • 操作盤、配線等すべて完全で、なお起動せずヒューズが溶断、サーマルリレーが働く時は、モーター巻線の短絡が考えられるので、ポンプを引き上げて調査、修理する。
  • ポンプ回転部の隙間に異物(ビニール、布切等)がつまっている。
  • 三相の内の二相を入れ替えて逆回転してみる。2~3回繰り返しても回転しない時は、ポンプを引き上げて異物を取り除く。

モーターは回転しているが、水が出ない。

  • モーターが逆回転している。
  • 結線の三相の内、二相を入れ替えて回転を正回転にする。
  • 電流計の指針が不安定で、電流の少ない場合考えられるエアーロック。
    (ポンプケーシング内に空気がたまったままになっている)
  • 吐出側の配管のフランジをゆるめて、空気を抜いてみる。
    エアー抜きのついていないもの、または、エアー抜きが詰まっている場合にこの様な現象が多い。
  • 逆止弁が作動しなくなっている。
  • 分解・点検する。
    揚水しない時は、取りはずして修理する。
  • 配管系統の洩水。
  • 配管を調査する。

揚水量の不足。

  • ポンプの特性に対し、実際の揚程が高すぎる。
  • 管路中の弁が半開きになって抵抗を与えているところがないか、または、計画的に十分な揚程のポンプであるかどうか再チェックする。
  • 電圧及び周波数低下のため、ポンプの回転数が低下する。
  • 電源を調整する。周波数については、電力会社と連絡をとる必要がある。
    (最近ではほとんど問題はない)
  • 揚水管にスケールが付着している。
  • 揚水管のスケールを清掃する。
  • ポンプの羽根車が摩耗している。
  • 修理取替をする。
  • 羽根車に木片その他の異物が付着している。
  • ポンプを引き上げて、分解、清掃または修理をする。

ポンプの揚程が規定揚程に達しない。

  • ストレーナー、羽根車が異物にふさがれている。
  • ポンプを引き上げて清掃する。
  • 回転方向が逆の時。
  • 三相中の二相を入れ替えて結線する。
  • 使用揚程が高い時。
  • ポンプの形式を再検討する。

過負荷継電器が作動する場合。

  • 過負荷継電器の電流調整が低すぎる。
  • 説明書によって電流調整のツマミを動かして調整する。
  • 電圧の高低が甚だしい。
  • 定格電流の±10%以内になる様に、電源を調節してもらう。
  • モーターまたはケーブルの絶縁不良。
  • メガー(絶縁抵抗計)で各部を測定する。
    絶縁抵抗は10MΩは必要である。
    10MΩ以下の時は、ポンプを引き上げて修理する。
    メガー測定の時は、端子盤よりケーブルをはずして測定すること。
  • ポンプに異物がつまっている。
  • ポンプを引き上げて分解清掃する。
  • サイクル選定が間違っている。
  • 60Hzのポンプを50Hz地区で使用した場合、規定の性能を発揮できない。
    50Hzのポンプを60Hz地区で使用した場合、オーバーロードになる。

腐食。

  • 電蝕または科学的による腐食。
  • 部品交換または材質の変更を検討する。
    (水質をよく検査する)

パイプの接続不良。

  • 据付時の不注意。
  • 接続部を点検して直す。

電気回路の操作不能。

  • 端子接続の誤り。
  • 製品に添付されている接続図によって接続を調べる。
    操作盤の修理は専門家に依頼する。
  • 原因
  • 対策

電磁接触器(マグネットリレー)の接点の荒れまたは溶着。

  • 電流容量不足。
  • モーターの定格電流に対して十分な容量があるかを調べる。
    不足の時は、新品と交換する。溶着部を修正する。
  • 使用頻度が過大の時。
  • 制御巾の調整。

ケーブルからの浸水または外傷。

  • ポンプ据付時、槽内結線をしている。
  • 槽内で結線せず、槽外で結線する。
  • ケーブルの外傷。
  • 引っ張ったり、傷つけたりしない。

モーターステーターコイルの焼損。

  • 欠相運転の場合。
  • 操作盤の端子盤の接続部等、各部点検する。
  • メカニカルシールの摩耗及びパッキン、Oリング等締付不良により漏水した場合。
  • ポンプを引き上げて分解点検の上、巻き替えの修理を行う。
  • 過負荷による場合。
  • インペラーロック等により過電流が流れていたか、または、電圧降下によるものか等、原因を究明してそれを除く。
  • 機械的外傷による場合。
  • 軸受、ベアリング等の摩耗により、ローターとステーターコイルとが接触し焼損した場合は、不良部を交換し修理を行う。
  • 注意点
  • 11kW以上のモーターには、モータプロテクターが巻線に組込まれております。
    11kW以上は、プロテクター回路が別回路でとる様になっておりますので、必ずエレポンの制御盤を使用する様にして下さい。
ばっ気装置
BCⅡ・BCⅡG
  • 状況
  • 原因
  • 対策

ジェット流が出ない。

  • ポンプの「故障と診断と対策」を参照。

ジェット流が出るが弱い。

  • ポンプの「故障と診断と対策」における、「ポンプの揚程が規定揚程に達しない」の項を参照。

槽内の攪拌流が出来ない。

  • ディフューザーの方向の組み合わせが悪い、または、下向き加減になっている。
  • フローパターンを考えて設置方向を組みなおす。

気泡量が少ない。

  • 空気吸入バルブが閉まっている。
  • 開ける。
  • 空気吸入管の破損。
  • 修理、接続しなおす。
  • 空気吸入管が長すぎる。
  • 適切な長さにし配管しなおす。
  • 着脱装置のセッティングが悪い。
  • 接続しなおす。
  • モーターが逆回転している。
  • 三相の内、二相を入れ替える。
  • ストレーナー及び空気吐出ノズルに異物がからみついている。
  • 除去する。
  • 仕様値より水深の大きいところで運転している。
  • 定格水深になる様にする。